平素より、弊社の事業活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
近年、ムスリム(イスラム教徒)の訪日旅行者と中東地域市場に対する関心が高まるに伴い、関連セミナー等が開催される機会も増えております。
しかしながら、その中には残念ながら不正確な情報や誤解を招く内容が含まれるケースも見受けられます。
このたび、西のゴールデンルート実行委員会主催で、株式会社コクリ研究所が受託され一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事の佐久間朋宏氏が登壇された「中東ムスリムインバウンド基礎セミナー」(2025年1月9日開催)において、弊社がこれまで講演等で使用した資料および弊社代表の発言や執筆文が、弊社の許諾なく無断で引用され、その上同協会のコピーライトが付与された資料が配布されていたことが確認されました。
中東に関するパートのほとんどが弊社資料等からの引用でしたが、それ以外で同協会が作成された資料には、中東からのインバウンドに関する誤った記述や、むしろトラブルを引き起こしかねない実際と正反対の対応方法が含まれており、自治体や事業者の皆様に誤解を与える可能性が高い内容となっておりました。
このような無許可での資料の使用および誤情報の拡散は、弊社の知的財産権を侵害する行為であるのみならず、関係者の適切な判断を妨げ、中東からのインバウンド受け入れ環境の整備にも悪影響を及ぼしかねず、事後の対応も非常に不誠実であったことを大変遺憾に思います。
2025年2月28日に同協会のウェブサイトにて謝罪文は掲載いただけましたが、直後に当該ページが弊社および関係者への事前の連絡なく削除されていたため、再度の依頼で現在は再掲していただいております。
2025年1月9日に開催したセミナー講義内容に関するお詫び(一般社団法人ハラル・ジャパン協会)
こうした経緯を踏まえ、一般社団法人ハラル・ジャパンおよび株式会社コクリ研究所に対しては、著作権法の遵守および正確かつ適切な情報提供を行われるよう強く求めます。
また、関係者の皆様におかれましては、同様の講演等で内容の真偽に疑問を感じられた場合や、弊社の資料が出典の記載なく使用されている事例を発見された際には、弊社までご一報いただければ幸いです。(お問い合わせはこちらから)
弊社では、適切な対処を進めるとともに、引き続き皆様に有益な情報を提供できるよう努めてまいります。
なお、本件に関しまして、西のゴールデンルート実行委員会事務局の皆様には一貫して真摯にご対応いただきましたことを、この場を借りて深く感謝申し上げます。
以下は弊社より提出させていただいた修正点です。
12ページ
「甘いものが好き。シンプルな味付け(中東、北アフリカ)」
→中東のお客様にはシンプルな味付けは好まれません。現地では肉や魚をスパイスを使って焼いたり煮込んだりする料理が多く、いわゆる「素材の味を生かした料理」は「味気ない」と思われがちです。
35ページ
「DON DON DONKIの和牛串、ファミリーマートのおでんなどが大ヒット」
→両方ともほぼ認知されていません。
(前者は召し上がらないことはないですが(店はどこでも良い)、おでんはあまり好みではありません。)
36ページ
「食べたい物はご馳走よりB級グルメに。」
→全くそんなことはありません
61ページ〜
ほぼほぼ私の資料か発言からの転用ですが、ハラル・ジャパン協会側で変更や追加されたと思われる部分には以下の誤りがあります。
まず、写真の多くが中東のものではありません。
62ページ
「(朝が苦手な傾向があるため、ゆとりをもって午後からスケジュールを組んだほうが良い。)」
→朝が弱い傾向があるとはいえ、そんなことはありません。
63ページ
「天ぷらや寿司といった和食は人気ではあるものの、現地で食べられるためわざわざ来日して食べることはしない。」
→全くそんなことはありません。
「東南アジアは辛い物が好きだが、中東は辛い物はあまり食べない。」
→そんなことはありません
「 旅行中に急にアラビックコーヒーが飲みたくなる場面が多々ある模様。その際にアラビックコーヒーと茶器セットを準備しておくと非常に喜ばれる。」
→そんなことはありません。国や地域により使う材料や作り方が異なりますし、受け入れ側がわざわざアラビックコーヒーと日本では手に入りにくい備品の準備までする必要はありません。
65ページ
「着物(浴衣)の生地
女性のアバヤの下に着る洋服は基本的にワンピースのため」
→ワンピース以外も色々あります。
「着物ではなく、着物の生地を購入し、現地でその生地を使ってワンピースを作ってもらうそうだ。」
→そんなことはありません。着物や浴衣の生地は幅が短いため、他の生地の方が圧倒的に多いです。
66ページ
「短い区間の新幹線乗車体験、和室での宿泊、貸切風呂なども人気。」
→新幹線は特に短い区間が人気という訳ではなく、和室での宿泊は彼らのニーズを満たす条件が伴います。
67ページ
「注意しておきたいのは、生魚や生野菜などが食べられない人が多いため」
→生野菜は真逆です。
68ページ
「出来ないものは出来ないとはっきり断る事が大切。」
→そんなことをしてしまうと逆にトラブルを大きくしてしまいます。上手な断り方がきちんとあります。
「(現金払いもNG)」
→カード決済などキャッシュレスが喜ばれますが、現金払いはNGではありません。
87ページ
「地場の生魚は多用しない」
→地場の魚は折角なので味わっていただきたいため、海鮮丼は炙り海鮮丼にするなど火を通していただければ問題ないです。
「アラビックコーヒーの準備」
→しなくて良いです。